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上山の女性死亡事件、夫を逮捕 妻殺害容疑、「介護に疲れた」

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。


2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。


わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。


人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。


そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。


介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。


今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。


上山市小穴の会社員加藤博美さん(58)方で2日朝、母親のはるさん(82)が死亡しているのが見つかった事件で、上山署は同日、殺人容疑で、はるさんの夫で無職加藤登容疑者(84)を逮捕した。はるさんは寝たきりの状態が続いており、登容疑者が主に自宅で介護に当たっていた。捜査関係者によると、登容疑者は「介護に疲れた。妻と自分の将来を悲観した」などとする趣旨の供述をしている。


2日朝に博美さん方を訪れたヘルパーが、寝室で興奮状態の登容疑者を発見。登容疑者は自分の首を布のようなもので絞めるなどしていたという。登容疑者の供述などと合わせ、県警は、はるさんを殺害した後、登容疑者も自殺を図った可能性があるとみて捜査している。


逮捕容疑は、1日午後5時-2日午前8時ごろの間、自宅1階寝室で、はるさんの首をひも状のもので絞め、殺害した疑い。司法解剖の結果、死因は頸部(けいぶ)圧迫による窒息死だった。県警によると、登容疑者は「真夜中にやった」などと述べており、犯行時刻は2日未明ごろとみられる。自宅から帯状の布が見つかっており、関連を調べている。


県警などによると、はるさんは7、8年前から寝たきりの状態だった。主に登容疑者が食事など身の回りの世話をし、上山市社会福祉協議会から派遣されたヘルパーが1日2回、訪問介護に当たっていた。


山形新聞
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