田辺市:「ライフサポート・ゆにおん」
「元気、笑顔、親切」運ぶ介護タクシー
前身で事業の柱となる介護タクシーの基礎と実績を培った。在宅のお年寄りらが、予約すれば通院や買い物に利用できる一般乗用タクシーの訪問介護事業所としては、紀南地方で唯一、県内でも草分け的な存在だ。
前身は龍神ユニオンタクシー(田辺市中芳養)の福祉タクシー部門。03年10月に営業を開始した際、車椅子のまま利用できる福祉タクシーを2台導入した。「片手間のつもりでしたがそれでは追い付かなくなりました」と、当時を振り返る同社の稲崎雄三社長(61)が分離独立を決断。同部門の運転手だった浦まりあさん(43)が「ゆにおん」の初代社長に抜てきされ昨年、事業を引き継いだ。
追い付かなくなった原因は、利用者の増加だった。福祉タクシー時代は1カ月10人前後だったが、04年7月、県の認可を得て訪問の介護タクシー事業を始めると、100人ほどになり、今では1000人台で定着。車椅子2台と定員7人の大型タクシー1台、人を乗せたまま車椅子を格納する折りたたみ式スロープ付きタクシーなど7台を保有する。
介護タクシーの利用頻度は人によってまちまち。診察のため2カ月に1回のケース、透析とリハビリなどで1カ月に12、13回という人もいる。利用目的は通院のほか、買い物、市役所、行政局への用事、銀行、投票など。これらを7人の女性運転手が、毎日1人当たり十数件を担当する。
浦社長は「要介護者を担当しているケアマネジャー、病院、医師、市町村の担当者、そして家族との連携が不可欠です。どれ一つ欠けても円滑にいきません。報告、連絡、相談の『ほうれんそう』が鉄則です」。通院利用者のため、迎えに行く前に診察の順番を予約する。時間に渋滞で間に合わないことも珍しくなく、電話を入れるなどして病院と連絡をとる。
運転手7人は、一般募集でなく、地域に精通している人に相談して、土地勘があり、責任感の強い人を浦社長が面接して採用した。迎えに行き、ベッドから起こして車椅子に移し、病院へ走ることも日常茶飯事。「7人が走り回れるのは、事務所に詰めている3人の支えがあればこそ。元気、笑顔、親切をモットーに頑張ります」。浦社長が明るく言った。【吉野茂毅】
毎日新聞
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