訪問介護:重度身体障害者の石田さん、和歌山市に求め提訴
「好きな時にトイレに行ける普通の生活を」--訪問介護サービス利用時間大幅削減は不当
訪問介護サービスの利用時間を大幅に削減されたのは不当だとして、重度身体障害者、石田雅俊さん(39)=和歌山市黒田=が30日、市を相手に削減の決定を取り消し、24時間介護を求める訴訟を和歌山地裁に起こした。提訴後、石田さんは「障害者が地域で生きていく、人間として当たり前の権利について争っていきたい」と思いを語った。代理人弁護士によると、06年の障害者自立支援法施行後、24時間介護を求める提訴は全国で2件目。【清水有香】
訴状などによると、石田さんは、1人暮らしを始めた04年4月、月535時間のヘルパー利用を市から認められるなどし、24時間介護が実現。しかし、自宅浴室改修などを理由に市は05年、月478時間に、07年には「深夜の継続的支援の必要性がない」として月377時間に減らした。
石田さんと代理人の池田直樹弁護士らは提訴後、和歌山弁護士会館で記者会見。石田さんは生まれながら首から下が動かず、常時介護を必要とする。「私にとって介護時間は身を守る時間であり、生活する時間。好きな時にトイレに行ったりする普通の生活が送りたい」。石田さんは声を振り絞って訴えた。
また、池田弁護士は訪問介護サービスについて自治体間で格差がある現状を説明。「必要な人に必要な時間を保障するのが社会の取るべき対応」と強調し、「この訴訟で、自立生活を断念せざるをえない全国の障害者が一歩を踏み出すきっかけになれば」と話した。
会見後、同市小人町の市あいあいセンターで、重度身体障害者の仲間やヘルパーら約20人を前に提訴を報告した。石田さんは「裁判に勝ちたいという気持ちはもちろん、和歌山市の福祉が良くなればと強く願っています」と語った。
大橋建一市長は「市の事務は適正だったと考えている。訴状の内容を検討して対応する」とコメントした。
毎日新聞
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