4月からの介護保険料市町村で格差 最大で約2倍の開き 紀南地方
4月に改定される65歳以上の介護保険料の基準月額が、紀南地方の全市町村で値上げされる見通しだ。印南町以南の12市町村のうち、最高額は白浜町の5842円、最低額は太地町の3023円で2倍近い開きがある。田辺市は合併前の自治体で保険料の差が大きかったことから、今回の改定でも県内で唯一、旧市町村ごとに設定する。最も高い旧大塔村地域と最も低い旧本宮町地域では、同じ市内でも1118円の差が生じる。
介護保険料は原則3年ごとに見直されるが、施設やサービスが充実していたり、利用者が多かったりする自治体ほど高くなる。県の発表によると、4月の改定後、2006~08年度分は県平均で月額4513円になり、前期(03~05年度)の3527円より986円引き上げられる。
田辺市は合併協議で今回の改定分までを不均一とし、09年度から保険料を一本化することで申し合わせた。
基準月額は、新田辺市全体の保険料と旧市町村単位の保険料を計算し、足して2で割った金額。それに旧市町村時代の借金などを加算した。
市内の最高額は旧大塔村地域の5599円で、改定前から2000円近い引き上げとなる。次いで、旧田辺市地域の5370円、旧中辺路町地域の4833円、旧龍神村地域の4585円、旧本宮町地域の4481円。いずれも県平均の上げ幅を上回り、改定前から1000円以上高くなる。
市やすらぎ対策課によると、保険料の高い旧大塔村地域は、1人当たりのデイサービスや訪問入浴など在宅サービスの利用が県平均の2倍以上、特別養護老人ホームの利用も県平均の約1・8倍。旧田辺市地域も、介護度が高く、施設利用者の多いことが保険料に反映されている。一方、旧本宮町地域は特別養護老人ホームの利用は県平均より多いものの、在宅サービスは県平均に満たないため、保険料に差がついたという。
同市では、06年度からは旧市町村単位に「日常生活圏域」を設け、圏域ごとにデイサービスを基本とし、短期の宿泊もできる小規模多機能型居宅介護施設などを整備して地域密着型サービスを始める。09年度から保険料を統一する方針だが、地域密着型サービスを始めることで、地域によって受けられるサービスに不平等が出ないようにするという。
昨年から今年にかけて合併した串本、新宮、白浜の3市町は、3月末までは合併前の自治体単位で異なっていた保険料を4月の改定で一本化する。みなべ町は昨年4月から既に統一している。
白浜町は紀南地方で唯一、2000円以上保険料を引き上げ、最高額の5842円にする。町民生課は「要介護認定者のうち介護度の高い人や、料金がかさむ施設利用者が多いこと、今後の利用の伸びなどを考えると値上げせざるを得ない。低所得者には負担軽減措置も講じる」と説明している。
一方、太地町は上げ幅が351円で、改定後の保険料も3023円と紀南地方で最低額となる。
町の高齢化率は33・9%(05年3月現在)。町住民福祉課は保険料をそれほど引き上げない理由について「介護認定を受けていない人や、認定を受けてもサービスを利用しない人が多い。なぜ認定を受けなかったりサービスを利用しなかったりするのかは、正確な分析をしておらず、分からない」と話している。
紀伊民報
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