福祉サービス第三者が評価 来春から2制度

福祉事業者の希望に応じてサービスの質を点検する評価制度が来春から、県内でも始まる。同時に、介護保険事業者に基本情報の公表を義務づける国の制度も始まる。ふたつの制度に共通するのは外部機関が調査し、利用者に結果を公開する点だが、どれだけの情報が公表されるかは未知数。介護オンブズマン制度の設置を求めてきた白浜町の住民団体は「第三者の目でしっかりチェックしてもらいたい」と話している。


この制度は、県社福協内組織が進める「福祉サービス第三者評価制度」。老人ホーム、通所介護、授産、養護など各施設を運営する福祉事業者が有償で評価を受け、業務改善やPRに生かす。


県社福協内の推進組織は10月に研修を開き、28人の調査員を養成した。事業を運営する評価機関を、NPO法人や企業から募っている。


評価機関は、利用者と家族のアンケート調査、事業者側の自己評価、施設内での聞き取りや資料確認を通じ、報告書を作成する。基本方針、人材の確保、サービスの質や利用者本位の観点など、55~89項目にわたって3段階で評価し、公表する。


全国的には都市部を中心に始まっているが、料金の高さやPR不足から利用が伸び悩むケースもある。評価を受けたり結果を公表したりするのは事業者次第で「介護保険を良くする会しらはま」の吉田守一相談員(75)は「評価を受けた結果が良ければ事業所のPRにもつながる。ただ、要望があった事業所だけでは、利用者側に立った制度とまでは言えない」と指摘する。


一方、介護サービスに限った国の制度は、事業者に年1回の公表を義務づける。既に外部評価制度を導入しているグループホームを除く、特養老人ホーム、老人保健、通所・訪問介護などの施設が対象。県内ではおよそ1500施設に上る。


この調査員も県が養成し、公表や調査をする外部機関を指定する見込み。


調査機関は、サービス実績や研修の記録、マニュアル、身体拘束を廃止する取り組みなどがあるかどうか、立ち入り調査で書類を確認し、公表機関が結果を公表する。


ただ、調査内容は単なる記録や取り組みの「有無」だけにとどまり、中身の評価にまでは踏み込まないという。


県長寿社会推進課は「事業者の不正事件が全国的に問題になっている。国は徐々に調査内容を充実させていくだろう」と話している。


紀伊民報