利用伸び悩み 歯の往診 田辺で初年度の3分の1

在宅要介護者に歯科医が往診して治療する歯科訪問治療事業の利用が伸び悩んでいる。田辺市では、事業開始から7年目の昨年度、利用者は当初の3分の1にまで減った。介護を受ける人自身が歯の治療に関心が低いことや、訪問治療制度そのものを知らない人が多いことが理由。田辺西牟婁歯科医師会は「合併を機に旧町村部でも利用できるようになったので、積極的に利用してほしい」と呼び掛けている。


田辺市の歯科訪問治療事業は1999年、同歯科医師会に委託する形で始まった。翌年には、白浜町でも開始。


制度の対象者は、高齢者など歯科医院に通院できない人。入れ歯の手入れや虫歯、歯茎の治療などほとんどの治療ができるという。


田辺市での利用は初年度131件あったが、その後減り、2004年度は44件だった。白浜町では、最も多い年でも18件の利用しかなかった。


同歯科医師会によると、在宅で介護を受けている人は、歯や歯茎など口内が不潔になっている傾向が強いという。身体が不自由で歯磨きなどが十分できていなかったり、体のほかの部分が悪いため治療が後回しになっているケースが多い。


口内の衛生状態が悪いと、口臭がひどくなるだけでなく、肺炎を引き起こし死につながることもある。歯を治療して口内が清潔になることで、気分が外へ向き、表情が良くなる人もいるという。


足が不自由で日ごろ外出できない田辺市北新町の男性(67)は、最近この事業を知って自宅で歯槽膿漏(のうろう)や欠損部分に入れ歯をするなどの治療を受けた。「今まで知らなかったが、非常に便利。同じような立場の人に利用を勧めたい」と話している。


紀伊民報
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