若年認知症:病に屈せず前向きに 足立さん、富山で体験談

◇会場の患者や介護者にエール
◇昨年始めた農作業、自信に替え


65歳未満で発症する「若年認知症」の当事者が体験や思いを語る「若年認知症の本人と介護家族のお話を聴く会」が、富山市湊入船町の県民共生センターサンフォルテで開かれた。病気と向き合いながら前向きに生きる大分県の元公務員、足立昭一さん(59)と妻由美子さん(49)が出席し、「必ず治ると信じて」と、強い信念の大切さなどを訴えた。


「認知症と家族の会県支部」が、若年認知症への理解と社会的支援を求めて主催した。足立さんは、約3年前「うつ病」と診断され、06年9月に若年性アルツハイマー型認知症と分かった。


家族の会に参加したことで、本音で話せる仲間に出会い、「会のサポートが安心感につながった」として、社会的支援の重要性を強調した。昨年からは、足立さんの活動を知って声を掛けてきた農家に1人で電車で通う。農作業を通して、自分にできることを積み上げることが自信につながったという。


昨年秋、50キロウオーク大会に出場し、完歩した約1カ月後に交通事故に遭った。生死の境をさ迷ったが、奇跡的に回復し、今年5月には47キロウオークに挑んだことを紹介。「つらかったりうれしかったり、すべてを自分を鼓舞するための材料にしています」と力強く語った。


会場の参加者からは「不安はないか」との質問が出た。足立さんは「全くない。将来のことは考えず、1日1日を積み上げていくだけ」と、患者や介護者にエールを送った。


同会は昨年、若年認知症患者と家族の会「てるてるぼうず会」を作り、情報交換会などを開いている。詳細は同支部(076・441・8998)。【青山郁子】


毎日新聞