県内の認定率、横ばい状態に 改正介護保険法施行10カ月
改正介護保険法の施行から十カ月余。全国で最も高い徳島県の高齢者の要介護認定率が上昇傾向から一転、横ばい状態になっていることが、県の集計で分かった。一方、認定の見直しで要介護度が軽くなった高齢者は、利用していたサービスが受けられなくなり、要介護認定と実態の開きを指摘する声も出ていて、新制度の影響が徐々に表面化している。
二〇〇六年四月施行の新しい介護保険制度は、介護予防事業の効果的な実施で、膨らみ続ける給付費や保険料を抑制するのが最大の狙い。要介護認定区分は従来の「要支援」「要介護1-5」の六段階から、「要支援1、2」「要介護1-5」の七段階に見直され、各段階で一カ月ごとの利用限度額が定められている。
県内の六十五歳以上の要介護認定者は、高齢化に伴い〇六年四月末の四万千二百六十七人から、同十一月末で四万千七百八十五人に増加。ただ、毎年1ポイント前後で上昇していた要介護認定率は20・9%から21%となり、横ばいで推移している。
全国トップクラスの認定率が問題視されていた徳島市でも、同様の傾向が続いている。市は〇六年十月末で25・3%に上昇すると予測していたが、同十二月末は23・9%で、同四月末の24・1%より低下。要介護認定者も百六十四人の増加にとどまっている。
認定率の低下の要因について、市は「高齢化が進む中、新たな要介護認定者の増加があまり見られなかったことや、ケアプランの適正化が図られていることが考えられる」としている。
一方で、新制度で要介護度が軽くなり、必要なサービスが受けられなくなった高齢者からは不満の声が上がっている。
要介護1だった徳島市内で一人暮らしをする女性(75)は〇六年九月、最も軽い要支援1に見直された。一カ月当たり十六万五千八百円(自己負担一割)だった利用限度額は四万九千七百円になり、週三回のデイサービスと週一回の訪問介護を、ともに週一回に減らした。女性は「家を出る機会が少なくなり、気持ちもふさぎ込みがちになっている」とこぼす。
徳島市内の別の女性(80)は、要介護2から要支援2に。週一回の病院通いの際に使っていた介護タクシーが利用できなくなり、往復二百八十円で済んだタクシー代は、全額自己負担で十倍になっている。女性は「足が悪く、運転もできないので困っている」と話す。
県内のあるデイサービスセンター事業者は「体や精神状態が悪くても、認知度に問題がなければ要介護度が軽くなっている。医師の診断書で介護度に大きな違いが出るケースも見られる。一人一人の症状や生活状況をきめ細かく審査して、適切な認定をする必要がある」と指摘している。
《メモ》厚生労働省によると、徳島県の要介護認定率は2003年度に続いて04年度も全国1位になっている。高齢者1人当たりの介護給付費も04年度は28万8000円(全国平均22万円)で、沖縄県を抜いて全国1位になった。徳島県全体の給付費は03年度534億円、04年度567億円、05年度573億円(見込み)と膨らみ続けている。
徳島新聞
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