松江市:災害時要援護者登録へ 来月15日から、法吉地区モデルに

松江市は9月15日から、災害時に自力で避難するのが難しく、支援が必要な障害者や高齢者ら要援護者の名簿登録を始める。登録には本人の同意が必要で、民生・児童委員や市職員が高齢者や障害者を訪問して登録する。地域住民が中心となって始まった同市法吉地区の支援制度をモデルにした事業に、市は「地元で普段から見守ってほしい」と話している。【御園生枝里】


要援護者の対象は65歳以上の高齢者の一人世帯や高齢者のみの世帯、身体障害者手帳を受けている人らで、2万1591世帯、2万9552人に登録を呼びかける。対象外でも申請すれば登録できる。避難支援者は災害時の避難所までの移送、救助が必要な場合の通報などの役割を担う。


市は昨年度から住民基本台帳などを基に名寄せ作業を行い、開発したコンピューターシステムで今年9月上旬に名簿を完成する。名簿に従って9月15日から高齢者と要介護3以上の認定を受けている人を民生・児童委員が訪問。障害者の場合は、市からの手紙に訪問不要と返信した人以外に、市職員が訪問し、登録の確認をする。基本的に要援護者が避難支援者を決めるが、決められない時には市職員らが探す。


モデルとなった同市法吉地区では、町内会、自治会、民生・児童委員、福祉推進委員ら地域住民が、地域に根ざした方法で支援制度を創設した。個人情報保護法の勉強会や神戸市長田区の視察などを実施し、06年4月から運用を始めた。


制度では、要援護者を「おねがい会員」、避難支援者を「まかせて会員」と呼び、親しみやすくしている。また「まかせて会員」は都合がつかない場合を考え「おねがい会員」1人に2人以上つく方針をとっている。


法吉地区は今年4月現在、4661世帯、1万1769人が住む。名簿作成時から民生・児童委員らが訪問して「おねがい会員」は高齢者127人、障害者23人、「まかせて会員」は220人が登録している。


06年7月の豪雨では避難はなかったが、安否確認が行われ「声をかけていただいて安心した」という声が聞かれたという。渡部浪子・法吉公民館館長は「災害弱者を助けるのは住民の力が大きい。定着させていくのがこれからの課題」と話している。同地区では、防災訓練や「まかせて会員」向けの活動マニュアルの作成、研修会などを行っている。


毎日新聞
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