幸齢者

2008年 05月 20日 (火) | Category : 島根県の介護ニュース

お年寄りを「幸齢者」と尊んで呼ぶ人がいる。島根県・隠岐で終末期のお年寄りを看取(みと)っているNPO法人「なごみの里」代表、柴田久美子さん。身寄りがない人や子どもたちが離れて介護が困難な人を預かっている。最期は、お年寄りを抱きしめ、生きる力=命のバトン=を受け取って、送る。


先日、福岡市で講演を終えた柴田さんにお会いし、幸齢者の対極とも言える「後期高齢者」についての思いを聞いた。「みなさんは、今の社会を築いてくれた宝。そういう方を『後期』でくくって、医療費の問題を解決しようというやり方は……納得できないですよね」。なごみの里には90代の幸齢者4人が入所。声を出せず、意思を表せない人も、年金から保険料が天引きされるという。


世間の不評で、政府・与党は見直しの検討を始めた。制度はお年寄りを病院や施設から家に帰そうとしている。家族による「看取り」が増えていいことかもしれないが、今の時世、どれだけの家庭で受け入れられるだろうか。勤労形態や住宅事情、意識も合わせて改革しなければ、幸せに齢(よわい)は重ねられない。【徳永敬】


毎日新聞
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