介護・医療で笑顔戻った 県が検討委 地域連携が急務

2007年 09月 01日 (土) | Category : 沖縄県の介護ニュース

初期症状が見分けにくく、重症化するケースが多い認知症。県内の高齢者の九人に一人が認知症で介護が必要な状況になっていることが県の調査で明らかになり、患者や家族の深刻な実情があらためて浮き彫りになった。県は認知症患者や家族を支援するため、本年度中に認知症施策推進検討委員会を発足。浦添市をモデル地域に指定し、認知症ケアの地域連携を構築する準備を進めているが課題は山積している。実際の家族の事例から対応の在り方を探った。(黒島美奈子)


「最初におかしいなと思ったのは三年前の暮れ。冷蔵庫がホウレンソウでいっぱいだった」


大城寛之さん(76)=うるま市、仮名=は、こう振り返る。妻のカツ子さん(77)=仮名=は二年前、アルツハイマー病と診断された。同じ物を何度も買う、お金の計算が不得意になった―。思い返すと数年前から妻の言動は明らかに変化していた。


それでも「年を取ったんだから」と気に留めなかったが、妹や嫁に指摘され半信半疑で病院へ。そこで、「認知症」と診断された。


「その時妻は、認知症と宣告されても十分後には忘れてしまっている状態だった」と大城さん。


その後カツ子さんは自宅に引きこもるようになり、食事を用意しても食べなくなる。用が終わるとすぐ横になってしまう。「このまま妻が寝たきりになるんじゃないかと心配だった。でもどうしていいか分からなかった」 転機は今年六月、近所にデイサービスセンターが開所したことだった。介護サービスを受けるようになってから、ようやくカツ子さんに笑顔が戻った。さまざまな活動を通して生活に張りが出て食欲も出てきたという。


大城さんは「以前の寝たきり状態がうそのよう。投薬治療と適切なケアで症状が緩和した」と喜ぶ。介護認定を受け、午前九時から午後四時まで週五日利用している。


ただ、家族への認知症ケアの情報は依然として少ない。「介護サービスは病院でも教えてくれなかった。近くにセンターが開所しなければ、妻は寝たきりになったかもしれない」。医療、介護、行政が連携した認知症の患者や家族を支援する仕組みづくりが求められている。


沖縄タイムス
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