介護認定予備軍把握進まず
国見込み→9%・県内実績→1%
県内で将来、介護認定を受ける恐れのある「特定高齢者」の掘り起こしが進んでいない。県高齢者福祉介護課によると、九月現在、県内三十市町村が把握した特定高齢者の「候補者」数は千七百十八人で、六十五歳以上人口の0・9%。特定高齢者の選定も市町村間でばらつきがあり、国が見込んだ「候補者9%、特定高齢者5%」には到底及ばない。特定高齢者を見つける市町村の基本健康審査(住民健診)の受診率の低さが原因の一つで、うつや引きこもりなど健診を受けない高齢者への対策が求められている。(儀間多美子)
特定高齢者把握は、今は介護保険を利用していないが、リスクが高いお年寄りに、運動機能向上や口腔ケアなどを実施し要支援・要介護への移行を防ぐ制度。今年四月に改定された「新予防給付事業」の柱の一つだ。
市町村の健診受診者の中から、国が示す二十五のチェック項目に当てはまる人を「候補者」として選定。本人に予防事業参加の同意を得て「特定高齢者」として地域の予防教室につなげる。同課によると、把握できた候補者数は市部と町村部で1%未満から10%以上とばらつきがある。
那覇市は十月までの健診受診者の中から、チェック項目に一つでも当てはまる三千八十四人を「候補者」とし、そのうち三十九人が「特定高齢者」として予防事業に参加。だが同市の特定高齢者の見込みは千五百七十人で、実績ははるかに少ない。宜野湾やうるまなど他市も同様の状況だ。
大きな原因は、特定高齢者を選定する場となる住民健診の受診率の低さで、二〇〇四年度の那覇市の受診率は19・3%、県全体でも29・2%と全国四十四位だった。
那覇市内の介護サービス関係者は「予防に対する意識が低い人や心身の状態が悪い人は健診を受けに行かない。本来、掘り起こしが必要な高齢者への対策ができていない」と指摘、実情に沿った市町村の対策の必要性を訴える。
また十一月や十二月まで健診を行う市町村では、予防教室の開始が来年となるところもある。三カ月から半年という指定された期間を十分消化できない上に、年度が替わると、特定者の把握は最初からやり直しとなる。
行政、事業者の両方から制度の実効性を問う声が上がっており、県は今年把握した高齢者に対する予防事業を次年度に実施できるよう、国に申し入れている。
[ことば]
特定高齢者 現在は介護保険によるサービスを受けていないが、今後受ける恐れの高い高齢者。国が示す「15分くらい続けて歩けるか」「固い物が食べにくいか」「週に一度は外出しているか」など25項目のリストを基準に特定し「栄養改善」「閉じこもり・うつ予防」などの介護予防事業を実施する。
沖縄タイムスタグ: 特定高齢者
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