どたばたスタート変わる介護保険
国の対応遅れ現場混乱
改正介護保険が一日、スタートする。新たに介護予防や地域密着型サービスを導入した大幅な改正だが、国の対応の遅れで県や市町村、介護事業所などでは三十一日も事業所の指定や利用者への説明などに追われた。県への申請前に新サービス提供が始まる異例の事態も。予防事業に移行しケアプラン作成が間に合わないお年寄りも出ており、事業所や利用者からは「自分の場合はどう変わるのか」「情報が錯綜し利用者に説明できない」との声も上がっている。
浦添市の地域包括支援センターでは三十一日、認定が「要支援2」「要支援1」に移行する介護予防サービス対象者の家を保健師が訪問、サービスの中身がどう変わるか説明した。「パンフレットの印刷も間に合わず、利用者家族と日程調整しながらの訪問だが、混乱を避けるためには必要」と担当者。三月二十日から保健師二人で一日十件、面談している。
「要支援」から「要支援1」に認定された同市安波茶の豊元秀さん(88)は、支給限度額がこれまでの六万千五百円から約五万円と減ることや、今後はケアマネジャーが代わるが、同じ事業所のデイサービスを続けられることなどを聞き、少し安心した表情。
特例
県は三十一日、県内の事業所から申請を受けた訪問看護や通所介護(デイサービス)、通所リハビリ(デイケア)などの介護予防事業を指定。今回、新たに導入される「運動機能訓練加算」「口腔機能向上加算」などの申請は、国の対応の遅れで十日まで延長した。
だが事業所の中には一日からサービスを始めるところもある。県高齢者福祉介護課は「本来なら前の月で申請するが、今回は各事業所が基準にのっとってサービスを行い、遡及して申請する。状況が状況なので、特例の措置」と説明する。
困惑
宜野湾市や北中城村などの介護サービス事業所では、予防事業に移行した人がサービスを受けるのに必要な「担当者会議」や「ケアプラン作成」が間に合わないまま、利用者を引き受けざるを得ない状況も出ている。
担当者らは「この人にはこのサービス内容でいいかと、みんなで話し合って決めている」「今までみてきた利用者なので状態は分かっており大丈夫だが、今後は断るケースも出てくるのではないか」と困惑ぎみだ。
自治体や事業者が混乱する中、利用者には十分な情報が行き届いていない。西原町のあいわクリニックでデイサービスに通う崎原千代さん(92)=西原町=の介護度は現在、「要支援」。認定更新は先だが「週三、四回通うデイサービスに今まで通り行けなくなるのでは」と心配で夜も眠れないという。
デイサービスを運営する医療法人のケアマネジャー、与那嶺清美さんは、混乱のスタートに「利用者が置き去りにされている」と声を落とした。
沖縄タイムス
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