老健・療養型4割負担増 変わる介護保険

2005年 10月 01日 (土) | Category : 沖縄県の介護ニュース

介護保険制度の改正で、施設サービス利用者の居住費や食費の自己負担が十月一日から始まる。低所得者は負担が軽減されるが、県内では施設によって対象者にばらつきがあり、老人保健施設(老健)と介護療養型医療施設(療養型)では利用者の四割が軽減の対象外となることが、県高齢者福祉介護課のまとめで三十日、分かった。老健利用者は平均で月三万―三万五千円の負担増が見込まれ、国の基準額を上回る料金を設定した施設もある。施設依存度の高い県内で、高齢者や家族の負担がますます増えそうだ。(くらし報道班・与那嶺一枝、社会部・儀間多美子)


自己負担の対象は、特別養護老人ホーム(特養)と老健、療養型利用者で、ショートステイやデイサービスも含まれる。同課によると、県内の三施設の利用者は九月一日現在、八千五百七十人おり、内訳は「特養」三千八百九十一人(45・4%)、「老健」三千五百五十九人(41・5%)とほぼ同じ割合で「療養型」が千百二十人(13%)。


負担軽減の対象者は、全体では六千四百六十三人と75%に上る。だが施設別にみると「特養」利用者は95・5%とほぼ全員が負担軽減される一方で「老健」58・8%、「療養型」58・3%と六割に満たず、四割以上が対象外となる。


同課は「特養入所者の多くは住民票を施設に移しており、高齢者単身の低所得者と認定される。だが、在宅に戻ることが前提の老健の利用者は、家族に課税者がいれば対象外」と説明。「単純に老健利用者が裕福ということではなく、不公平感が出ることは否めない」とする。


県老人保健施設協議会の宮城信雄会長は「家族が高齢者を在宅で見たくても、共稼ぎなど世帯の事情や高齢者の症状などで困難という利用者も多い。負担額が増え、施設を出ることになると、高齢者が家庭で十分な世話を受けられるかの不安も出てくる」と語った。


老健施設のある職員は「第四段階になった人の多くは、住民票を分けて世帯分離することで総収入を減らし、ランクを下げる工夫をしている。しかし、国民健康保険料が増えることもあって、世帯分離さえままならない家庭もある。もう家を売らないと支払えない、と泣きながら話す家族も出ている」と利用者の窮状を訴えた。


また、たとえ軽減対象者でも「第三段階」認定者は、平均一・五万円の負担増が見込まれる。県では月五、六万円の年金だけで生活する高齢者も多く、関係者から負担増に懸念の声が出ている。


[ことば]

施設利用者の自己負担額 高齢者世帯の所得に応じ「第1段階」から「第4段階」まで設定。そのうち低所得者の負担軽減は「第1段階」から「第3段階」までで、約1万5000円程度の増から変化なし、現行より負担が減る人などが見込まれる。世帯に1人でも住民税課税者がいれば「第4段階」で軽減対象外となる。


沖縄タイムス
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