負担増 不安増 介護保険来月から新制度
食費・家賃自腹で利用者/「長生きすると苦しい」
介護施設の利用者の居住費や食費が十月から自己負担となることから、県内の市町村や各施設は利用者への説明会や負担軽減の手続きなどで対応に追われている。新たな負担額は、利用者の世帯所得などに応じて決まる。低所得者には一定の軽減があるものの、月額で約三万円以上の負担増となる人もおり、説明会に訪れた人々からは「長生きするだけ、苦しくなる」「施設を出ることになるかもしれない」と不安の声が上がっている。(儀間多美子)
自己負担の導入は、年々増大して財源を圧迫する介護給付額を抑えるための国の措置。
月額で3万円増も
負担額は、住民税や所得額など一定の基準に応じ、四つの段階に定められている。負担の軽減には申請が必要で、手続きがないと自動的に一番高い負担額(第四段階)に設定される。
自分が何段階か分からない人も多く、施設も利用者の所得額を確認できないため、利用者全員の申請を施設が代理で提出し、自治体が所得に応じ段階を決めるケースがほとんど。
市町村は今月中に、申請者の所得に応じた認定証を発行する。沖縄市など都市部で申請受け付けを開始したところもあるが、これから説明会を行う自治体が多いという。
豊見城市内の施設で四日、開かれた説明会には多くの家族らが訪れた。老人保健施設に父親を預けている四十代の女性は「軽減の対象となりそうだが、負担がどれだけ増えるか分からない。場合によっては施設から出すことも考える」と厳しい表情を見せた。
施設にいられない
九十歳の母親を預けている別の女性は「自分にも障害があり、とても一人で世話できない。負担増は苦しく、施設を出るとなれば、どうしたらいいのか」と不安を訴えた。
施設関係者は「国の方針だと理解してもらっているが、実際に負担が出るようになると、家族の不満や混乱は大きくなるはず」と懸念。「施設側も収入減となるが、利用者のサービス低下につながらないよう努力していく」と語った。
県高齢者福祉介護課によると、県内には百三十七カ所の介護施設があり、利用者は約八千八百人。特に老人保健施設と療養型医療施設の利用者に、負担が高くなる割合が多いという。
[ことば]
施設利用者の自己負担 介護保険法の改正で、保険サービスに含まれていた食費や居住費(滞在費)が十月から保険対象外となり、利用者の全額自己負担となる。これらを自費で払いながら、在宅で介護サービスを受ける人との不公平をなくすことなども理由。料金は国の基準額に準じて施設がそれぞれ決定し、利用者と再契約を交わす。
沖縄タイムス
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