身体拘束、施設8割実施 県介護課調査
県内の高齢者施設で、何らかの理由で入所者を車いすに固定したり、四肢をひもで縛るなどの身体を拘束している施設は約八割に上り、件数も前年度より六十八件増加していることが県高齢者福祉介護課の調査で十五日までに分かった。施設内に「身体拘束廃止検討委員会」を設置しているのは五割しかなく、設置予定なしは23・8%。県は「拘束廃止への関心が薄れている」とし、施設責任者や職員、家族への研修が必要としている。
調査は昨年十月、県内の介護老人福祉、介護老人保健、介護療養型医療、痴呆対応型共同生活介護、特定施設入所生活介護の百六十八施設で実施。(1)同年九月三十日現在の施設の状況(2)二〇〇三年度の拘束件数や内容―などを質問し、百五施設から回答を得た。回収率62・5%。
拘束を「やむを得ず行う場合がある」施設は八十一件(77・1%)、「ない」は二十三件(22・1%)。拘束件数は〇三年度千三十一件で、〇二年度の九百六十三件より増加した。施設側の意識も「拘束が減った」とする割合は約15%減少、逆に「増えた」が1・5%増加した。
内容は「ベッドを柵で囲む、腰ひもで縛る」が六百三十四件と多く、「車いすベルト」二百三十六件、「ミトン、手袋」九十件など。「四肢をひもで固定」は三十七件と前年度より三十件増加、「薬物投与」「便器への拘束」などもあった。
「やむを得ず」の理由(複数回答)は「本人の安全確保」六十六件や「医療上必要なとき」「一時性・一過性」などで、「家族の依頼」も二十五件(9・9%)あった。
「拘束を廃止した介護や看護の工夫例があるか」は64・8%が「ある」としたが、「拘束廃止に向けた介護・看護のマニュアル」について六割が「ない」と回答。今後、拘束廃止に必要なことは「正しい知識や技術を身に付ける研修会の実施」が多くを占めた。
市民の人権擁護の会日本支部の米田倫康世話役は「一番の問題は回収率の悪さ。他府県の多くは80%近くあり、沖縄の施設は身体拘束の関心が低いことの表れだ。施設間で意識の違いも大きい。福祉職員として、縛られる側の身になって考えてほしい」と語った。
県は、〇一年度に身体拘束ゼロ作戦推進会議を設置。毎年、施設調査を実施し、今年三月、拘束をなくした施設の事例集をまとめた。
沖縄タイムス
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