<中越沖地震>要介護認定の申請が急増 8月は1.65倍
新潟県中越沖地震の被災地・柏崎市で、要介護認定の申請が地震後に急増し、8月の申請者数は126人と前年同月(76人)の1.65倍になったことが同市の調査で分かった。家屋倒壊で家族が介護できなくなった例が多く、環境の変化によるストレスが身体機能にも影響を与えている。16日で発生2カ月を迎える現地では今、要介護者を担当するケアマネジャー不足が心配されている。
申請の急増について同市介護高齢課は、避難所や仮設住宅で住環境が激変し、家族の介護が難しくなったケースが多いとみている。
介護にかかわる同市の複数のケアマネジャーによると、避難所生活による環境の変化で、住み慣れた家では1人でできた入浴や排せつが困難になったり、認知症が悪化する人が出た。部屋の壁のひびの修理のめどが立たないストレスから体の痛みを訴えるようになった例や、家の全壊判定を隣人にそねまれ、うつ状態になる例もあった。
別居していた家族が被災を機に異常に気付いて申請した例や、1人暮らしの家が全壊して見知らぬ土地のアパートで閉じこもりがちになる不安から申請した人もいたという。
04年10月の中越地震の際も、被災自治体で翌11月の要介護認定申請者数が急増。長岡市は前年同月比1.91倍の209人、小千谷市は同2.09倍の88人などとなり、増加傾向は12月まで続いた。
認定申請急増を受け、柏崎市は1人のケアマネジャーが受け持てる要介護者数を増やせるよう、規定緩和の緊急措置を国や県に求めている。06年4月の介護保険法改正で、ケアマネジャー1人が受け持てる要介護者が50人から35人に減り、要支援者8人の担当が追加された。同市では7月末現在、要介護、要支援合わせて2521人の在宅サービス利用者を約65人のケアマネジャーが担当しており、同市介護高齢課は急増にすぐには対応できない恐れがあるとみている。【黒田阿紗子】
▽阪神大震災で高齢者の精神状態を調査した神戸大の前田潔教授(精神医学)の話 高齢者は環境への適応能力が低く、避難所や仮設住宅へ行くことで認知症がはっきりしたり、身の回りのことができなくなることが多い。今後は将来への不安感が身体機能低下につながる恐れがあり、保健師らがきめ細かい訪問をして予防に努めることが重要だ。
毎日新聞
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