07年度、介護給付費6兆円超に 前年度比5%増
わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。
2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。
わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。
人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。
そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。
介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。
今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。
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厚生労働省が24日まとめた2007年度の介護保険事業状況報告によると、利用者負担(サービス費の1割)を除く給付費は前年度比4・9%増の6兆1600億円となった。厚労省は「高齢化の進展で介護サービスの利用が増えたため」としている。
65歳以上の高齢者1人当たりの給付費は、前年度比2・3%増の22万4千円。06年度は、要介護度の軽い人への家事援助が減らされるなどした影響で制度が始まって以来初めて前年度比マイナスとなったが、制度改正がなかった07年度は再び増えて05年度並みの水準に戻った。
給付費のうち、最も多かったのは訪問介護などの居宅サービスで2兆8626億円。次いで特別養護老人ホームなどの施設サービスが2兆5293億円、認知症高齢者のためのグループホームなどの地域密着型サービスが4450億円の順だった。
要介護認定者は前年度比2・9%増の453万人。内訳は、要介護2が17・7%で最も多く、要介護度が軽度(要支援1から要介護2まで)の人が全体の60・7%を占めた。
共同通信