高齢者の26%「生活苦しい」 09年版高齢社会白書
わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。
2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。
わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。
人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。
そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。
介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。
今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。
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政府は29日午前の閣議で、2009年版高齢社会白書を決定した。65歳以上の高齢者で暮らし向きに「ゆとりがある」と感じている人は8・5%なのに対し、「苦しい」は3倍以上の26・4%に上った。
白書は、日本の高齢化率は10年代以降、世界で最高水準になると予測し「世界のどの国も経験したことのない高齢社会になると見込まれる」と指摘した。
60歳以上で近所と「親しく付き合っている」と答えた人は43・0%にとどまり、5年前よりも9ポイント減少。「あいさつをする程度」が51・2%と上回り「近所同士の結びつきが弱まっている」と分析した。
また65歳以上の男性の80・7%が、介護を頼みたい相手として「配偶者」を挙げたが、女性は63・1%が「子ども」と回答した。
05年には約230万人だった東京都の65歳以上の高齢者が、30年後の35年には約390万人に達するとの推計を紹介し、都市部に住む高齢者の増加傾向も指摘した。
共同通信