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つくも苑また誤投薬 1月に2件、健康被害はなし

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。


2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。


わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。


人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。


そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。


介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。


今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。


昨年五月、職員から誤って別の入所者の薬を飲まされた入所者が死亡する問題が起きた佐世保市の障害者施設つくも苑(松尾康弘所長)は二十七日、新たに今年一月、二件の誤投薬が発生していたことを公表した。健康被害はなかったとしている。


一月二十三日、苑内の診療所で受診した入所者の処方を、苑の医師や看護師が誤って別の入所者のカルテに書き込み風邪薬が出された。


同七日には、食事などに使う多目的室で入所者別に薬を入れておくポケットから、入所者自身が間違えて他人の薬を取り出し服用した。本来は職員が服用させることになっていた。


昨年の問題は誤投薬と死亡の因果関係が不明だが、つくも苑は運営の透明性確保を図るとしてホームページ(HP)で過去三カ月間の事故や事故につながりかねなかった事案の公表を開始。この中で明らかにした。


つくも苑は「再発防止を図ってきたが、危険予知の不十分さや基本的確認事項の徹底不足を痛感している」としている。


長崎新聞
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