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介護保険料滞納35% 県内19市町、普通徴収対象者

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。


2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。


わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。


人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。


そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。


介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。


今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。


県保険医協会(千々岩秀夫会長)が県内二十三市町の介護保険料の滞納状況を調査したところ、回答のあった十九市町で保険料を個別に支払う六十五歳以上の普通徴収対象者のうち、滞納している人が35・1%に上ることが分かった。


政府は二〇〇九年度、介護職員の待遇改善のため介護報酬を初めて3%アップさせる方針だが、それに伴い保険料が上がる可能性もある。県保険医協会は「保険料は高齢者にとって既に過重になっており、引き上げれば滞納者をさらに増加させる。市町は積立金の活用などで高齢者の保険料は少なくとも据え置くべきだ」としている。


協会は昨年九月末の状況を調べるため二十三市町に調査票を送り、東彼東彼杵、川棚両町を除く二十一市町が回答。このうち滞納者総数が無記入の対馬市と、延べ人数を回答した西彼時津町は滞納率調査から外した。また諫早市のデータは数カ月前の時期のものになっている。


十九市町の六十五歳以上で、保険料を年金から天引きされる特別徴収対象者以外の普通徴収対象者は、被保険者の約10%の三万六千七百三十人。うち滞納者は35・1%の一万二千八百九十人で、一年以上の滞納者が半数以上になるとみられるという。


滞納率が高かったのは島原、雲仙、南島原の三市でつくる一部事務組合「島原地域広域市町村圏組合」の48・1%、続いて大村市44・7%、北松鹿町町41・7%、長崎市40・9%などの順。低かったのは松浦市8・6%、東彼波佐見町11・5%、五島新上五島町18・4%などだった。


昨年八月一日現在、県内二十三市町のうち保険料の減免制度を条例で定めているのは七市町という。県保険医協会は減免制度がない自治体に早急な実施を求めている。


保険料を一年以上滞納した場合、介護サービスを受ける際に事業所に費用全額をいったん支払った後、自治体から自己負担分を除く九割の払い戻しを受ける。一年半以上滞納すると、九割の払い戻しも一時差し止められる。


長崎新聞
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