佐世保市「つくも苑」 誤投薬の介護職員停職 理事長は報酬返納 計15人を処分
わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。
2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。
わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。
人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。
そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。
介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。
今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。
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佐世保市の身体障害者療護施設「つくも苑」で5月、女性入所者が誤投薬後に死亡した問題で、施設を運営する県障害者福祉事業団と県は25日、誤投薬した20代の女性介護職員を停職1カ月とするなど計15人を処分した。同事業団の西司理事長は、報酬の10分の1を1カ月返納する。
発表によると、介護職員は服薬の際に名前を読み上げて確認するなどの内部規定を怠ったことが処分の理由。このほか、松尾康弘所長ら上司や、同職員に適切に指示しなかったとされた女性看護師の計8人が減給や戒告の懲戒処分となった。
上司は、同施設で過去にも誤投薬があったにもかかわらず、誤投薬防止マニュアルの作成や周知の徹底が不十分だった管理責任が問われた。
このほか、県の入江季記福祉保健部長ら6人は文書訓告となった。
西理事長は「入所者が亡くなったという事実を重く受け止める。組織管理体制上問題があった」とあらためて謝罪した。
問題の誤投薬は5月17日夜に発生。女性介護職員が薬袋の名前と女性入所者の氏名を照合せず、別の入所者に処方された向精神薬などを与え、女性入所者は翌日死亡した。同施設は6月に誤投薬防止マニュアルを作成したが、9月にも再び誤投薬を起こした。入所者の死亡については、誤投薬との因果関係が不明として、刑事事件としての立件は見送られた。
西日本新聞