認知症でも安心して暮らせる地域づくりを進めるため、県は、上水内郡飯綱町をモデル地域に選び、総合的な支援体制を築く。27日開会の9月定例県会に提出する一般会計補正予算案に事業費547万円余を計上。議決後、町が10月中に住民主体の推進チームを発足させ、知識の普及、早期発見に向けた医療体制づくり、はいかい時の捜索体制や連絡網の整備-など、さまざまな分野にまたがる取り組みを始める。
国が本年度始めた「認知症地域支援体制構築等推進事業」で、モデル地域は各都道府県が設ける。県内の他地域にも広げられる支援体制づくりを目指す。
飯綱町の人口は約1万3000人で、65歳以上は約3500人(3月末現在)。町によると、このうち1割以上の約400人に認知症の疑いがあるという。町内には、町社会福祉協議会と民間が運営する認知症対応型グループホームが各1カ所あるが、自宅で暮らす人がほとんど。ショートステイの受け入れ先が見つからず介護者が倒れる例もあるという。
町地域包括支援センターの担当者は「認知症は介護認定調査で軽めに認定され、十分な介護保険サービスを受けられない場合が多い。利用できる介護保険施設も限りがあり、地域で支え合うネットワークづくりが欠かせない」と指摘する。
町の推進チームは、住民、医師、福祉関係者や、公的機関の代表らで組織。核となる約30人が事業開始前に、認知症について講習を受ける。発足後は、町内外の有識者による推進会議の助言を得ながら事業を進める。住民が認知症を理解し、自らが認知症になった場合の不安も取り除くプログラムづくりや、医療機関での相談体制強化などに着手する計画だ。
町社協の認知症対応型グループホーム「わが家」管理者の坂本圭介さん(34)は「認知症への偏見はまだ根強いが、決定的な予防法はなく、誰にも発症する可能性がある。『ぼけない町』よりも、『ぼけても安心な町』にしていきたい」と話している。
信濃毎日新聞

Comments
コメントはまだありません。
コメントをどうぞ