ガソリン高騰 訪問介護や福祉送迎の現場を圧迫

ガソリン価格の高騰が、訪問介護や福祉送迎の現場をじわじわと圧迫している。小まめにエンジンを切ったり事務費を削ったりという節約は限界に近く、補正予算を検討する村も。22日、県内のレギュラーガソリン店頭価格は1リットル147円70銭と過去最高を更新。長期化の様相に関係者からはため息ばかりが漏れる。


南信地方で訪問介護サービスを行うNPO法人は、訪問にヘルパーの自家用車を使う。多くの民間事業者と同様、維持費を抑えるためだ。昨年秋、ヘルパーへのガソリン代支給を1キロ当たり20円から25円に初めて上げた。さらに上がり続けるガソリン価格に、理事長は「介護報酬の単価が低い上に、厳しい」と訴える。


介護保険サービスは利用料に経費の変動分を上乗せできないため、枠外の有償サービスへの転嫁が頭をかすめた。しかし、「利用者は現在の負担が精いっぱいの人が少なくない。しわ寄せだけは避けたい」と値上げは踏みとどまっている。


北信地方でお年寄りや障害者の訪問介護を展開している有限会社も、順次、ガソリン手当をアップ。開業した2000年に比べて1キロ当たり約3円高い水準だ。「それでも追いつかない」と社長。1円の値上げは全体で月約10万円増。自転車利用も時間的ロスを考えると現実味がない。当面は光熱費など事務所経費を削って耐えるという。


昨年の介護保険制度改定で、利用者1人につき1回片道470円支給されていたデイサービスの送迎加算が廃止された影響を指摘する業者もいる。


「採算の合いにくい訪問介護事業をカバーする他の介護報酬まで削られ、その上ガソリンでは…」と東信地方の事業者。「動けば動くだけ出費が増える」現状に言葉は沈みがちだ。経費節減で事業所内の冷房温度を高めにするよう本部から指示があったが、「この猛暑。スタッフがダウンしては元も子もない」。


南佐久郡小海町社会福祉協議会では05年度252万円、06年度269万円と年々車両の燃料費が増えている。担当者は施設の風呂などの灯油代もかさんでいるといい、「昨年灯油代が60万円近く増えた。本年度はどうなるのか」と漏らす。


下伊那郡根羽村の村社協も、訪問介護やデイサービスの送迎のガソリン代を含め、本年度は燃料代を昨年度より約30万円増やして臨んだ。だが、予想以上の値上がりで足りなくなる見通しだ。介護保険外の送迎サービスを同社協に委託している村は補正予算を組むことも視野に入れている。


信濃毎日新聞

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