老人施設、無届け半数 県、43施設を指導
わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。
2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。
わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。
人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。
そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。
介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。
今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。
『
無届け有料老人ホームが県内に四十三施設あったことを、県が十九日、県議会の健康福祉病院常任委員会で明らかにした。老人福祉法に基づき県に届けられているのは四十八施設にとどまっていて、全体の半数近くが無届けだった。県は無届け施設に対し、七月十日までの届け出を求めている。
群馬県渋川市でことし三月、無届け老人ホームで高齢者十人が死亡した火事を受け、県が緊急調査。市町や同業者、介護支援専門員などから情報提供を得て調べたところ、四十三施設(定員六百人、入居者四百九十人)が無届けだった。
老人を入居させ食事や介護、家事などのサービスを有料で提供する場合、老人福祉法により県へ事前に届け出が必要、罰金三十万円の罰則もある。だが、届け出ると施設基準の順守や帳簿作成・保存など各種義務が生じるので「無届けで経営している施設は多い」。
県内では施設の整備が少ない上、県の取り締まりが手薄だったため、無届け施設が多くなったのではと県長寿社会室はみている。県はこれまで無届け施設を「ゼロ」としてきた。無届け四十三施設のうち、七施設は県の指導で届け出た。
残り三十六施設(定員四百九十二人、入居者四百六人)の施設経営者からの相談に応じる。また、新設されたスプリンクラー設置への助成制度を説明して届け出を促し、入居者の安全・安心を確保したいという。
伊勢新聞