吉田福祉基金 軽自動車など1475万円相当 多気町の施設に寄贈
わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。
2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。
わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。
人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。
そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。
介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。
今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。
『
多気町四疋田の財団法人吉田福祉基金(吉田逸郎理事長)は二十七日、同所の吉田福祉基金会館で平成二十年度助成事業贈呈式を開催した。大紀町社会福祉協議会など六施設に軽自動車六台、十三施設に自操式介助用車いす五十二台など合計四十五施設に総額一千四百七十五万円相当(多気町に五月に寄贈済みの液晶テレビ五十台含む)を寄贈した。
寄贈品の車いすなどが並べられた会場で、吉田理事長から各物品の代表受領者に目録が贈呈された。また県福祉部長寿社会室の吉田一生室長が「三重県が進める地域ケア」と題して、高齢者に対するケアの進め方の方向性などについて講演した。約七十五人が参加。
同基金は、高城町の名誉町民で大阪府門真市に本社のある東和薬品の創設者の故吉田雄一氏が平成七年に老人福祉に関する事業の振興と増進への寄与を目的に県初の福祉基金を設立。県内特別養護老人ホームや介護施設に施設備品や車両整備などの助成と、介護施設従事者の研修を実施している。
伊勢新聞