「排泄ケアが暮らしを変える」 浜田さん、問題解決の事例を豊富に紹介

◇情報館「むつき庵」代表・浜田きよ子さん


◇自分がどう老い、死んでいくか


全国でも珍しい排泄(はいせつ)用具専門の情報館「むつき庵(あん)」(上京区)代表の浜田きよ子さん(57)がミネルヴァ書房から「排泄ケアが暮らしを変える 百人百様の老いを支えて」を出版した。介護のマニュアル本が目立つ中で、トイレやオムツなど用具の種類を細かく説明。適切に使うことでどういう問題が解決したかの事例を豊富に盛り込んでいる。


浜田さんが排泄ケアに携わるきっかけは20年前、糖尿病で入院した母の死だった。「オムツは絶対に嫌」と訴える母に「看護師さんが言われるようにしないと」とオムツをあてた。しかし、その後急速に衰えた母は1カ月後に亡くなってしまう。


「母にとってオムツは何だったのか。介護する人よりも本人にとっての介護を考えたい」と03年にむつき庵を設立。約400種の紙・布オムツや尿器などを展示し、排泄ケアの相談や情報提供、研修などを行ってきた。


出版を決めたのは、貧しい介護の状況を知るなかで「事例を書くことで介護の質を高めるために必要な考えを伝えられるのでは」と考えたから。


本書では、周囲に暴言を吐く知的障害の男性(89)が、ぐるぐる巻きにあてていたおむつをホルダーパンツと尿パッドに変えたことで、相手にねぎらいの言葉をかけるまでに変わった事例を取り上げた。


また、娘が添い寝をすることで母の夜尿症が治癒したケースでは、相談を通して娘と母との長年の不和が原因だったことが分かったとして、かかわり方の変化が解決につながったことを示した。


「排泄ケアは今の自分たちに関係ない、必要になったら考えるという人は多い。でもその時、周囲に知っている人はあまりいないもの」と浜田さん。食べることは当たり前に考えても、排泄はタブー視されるのが現状。「だが、人はいつか亡くなるもの。排泄ケアを考えることは、自分がどう老い、死んでいくかを考えることなのです」と話す。


A5判、220ページ。1890円。問い合わせはミネルヴァ書房(075・581・5191)。【谷田朋美】


毎日新聞

If you enjoyed this post, please consider to leave a comment or subscribe to the feed and get future articles delivered to your feed reader.

Comments

コメントはまだありません。

コメントをどうぞ

(必須)

(必須)