在宅で療養する高齢者を医療と介護の両面で支える仕組みをつくろうと、乙訓医師会(金達龍会長)と同志社大医療政策・経営研究センターがこのほど、共同で「退院支援パイロット事業」を始めた。京都府長岡京市の済生会京都府病院の入院患者を対象に、病院医師や地域の開業医、介護機関などが協力して退院を支援する。病院と地元医師会が連携し、医師会の選任した主治医と副主治医がチームで在宅療養を支える取り組みは全国的にも珍しい。
高齢者の医療費増加が問題となる中、決まったかかりつけ医を持たないために安心して退院できず、長期入院になってしまっている高齢者の在宅療養を促すねらい。
「退院支援パイロット事業」では、医師会が選任した主治医と副主治医が2人一組のチームを組むことで在宅医療を担う医師の負担軽減を目指す。また、退院後にスムーズな生活を送るためには綿密な医療・介護計画が欠かせないことから、退院に先立って行われる話し合い(カンファレンス)は、本人や家族、病院医師、ケアマネジャー、主治医を交えて行う。
乙訓医師会は、以前から独自に「在宅療養手帳」を発行するなど在宅療養の支援体制を確立してきたが、近年、特定の医師にかかりつけ医の仕事が集中しがちになっていた。事業が進めばこのような課題の解消も期待できるという。
プロジェクトに先立って要介護者や家族の実情を調べるアンケートも行われており、自宅にいる要介護高齢者の多くが経管での栄養摂取やたんの吸引やなど医療のサポートが不可欠な状態で生活していることが明らかになった。
研究期間は2009年3月までの予定で、将来は済生会京都府病院以外にも事業拡大を目指す。プロジェクト代表を務める井上恒男同志社大大学院教授は「訪問診療をしてくれる先生さえいれば退院できるのに、とのお年寄りや家族の思いに答えていきたい」と話している。
京都新聞

Comments
コメントはまだありません。
コメントをどうぞ