高齢者虐待:07年度県内146件 最多は暴力の35.5%

県は18日、県内で07年度、高齢者に対する暴力や介護放棄などの虐待に関する相談・通報が297件あり、このうち146件を各市町村が「虐待」と認定していたと公表した。06年度に比べ相談・通報は14件増えたが、認定は22件減った。【笠井光俊】


06年4月の高齢者虐待防止法施行を受けて県は虐待状況の調査を始め、今回が2回目。熊本市で開かれた県高齢者権利擁護推進会議で報告された。


虐待の種別(複数回答)は、暴力などの身体的虐待が最多で35・5%。次いで、暴言などの心理的虐待22・9%▽介護・世話の放棄やネグレクト(放任)20・8%▽財産を勝手に処分するなどの経済的虐待20・3%▽性的虐待0・4%--の順だった。06年度には4位だった「心理的虐待」が増えた。


虐待していたのは、息子が41・7%と最多で、娘16・6%▽夫16%▽息子の嫁7・4%--と続いた。介護施設の職員の虐待は3件の通報・相談があったが、2件は「虐待でない」と認定され、残る1件も虐待の事実は確認できなかった。


虐待を受けた高齢者の約7割は女性。また認知症の人が虐待を受けやすい傾向があった。虐待への対応では、医療機関への一時入院など虐待している人と引き離したケースが4割弱あった。


推進会議では、高齢者虐待に対する特別養護老人ホームやグループホームなど養介護施設職員の意識調査の結果も報告された。25%の職員が「自分の行為が虐待に当たるのではないかと思ったことがある」と答え、「虐待や不適切な対応をしそうになったことがあるか」との質問にも37%が「ある」と答えた。


今年2月、県内約500施設の中から100施設を無作為抽出してアンケートを送付し、計1682人の職員から回答を得た(回収率79%)。


虐待防止に必要なこととして(1)ストレスをためない工夫(2)継続的な研修の受講や学習の確保--が上位に挙がった。


◇高齢者虐待防止法


05年11月に議員立法で成立。相談・通報を受けた市町村が立ち入り調査などで事実確認をし、必要に応じて一時保護などの措置を取ることを定めている。介護施設の職員には、虐待を発見したら市町村に通報する義務を課している。


毎日新聞
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