介護放棄や暴力など高齢者に対する虐待の相談・通報が昨年度、県内で283件あり、うち168件(延べ177人)が市町村から「虐待」と認定されていた。昨年4月の高齢者虐待防止法施行を受け、県が全市町村を対象に初めて実施したアンケート調査で分かった。
県が16日の高齢者権利擁護推進会議で報告した調査結果によると、168件の虐待の種別(重複回答)は、暴力など身体的虐待が36%で最も多く、次いで介護・世話の放棄(ネグレクト)26%▽財産を勝手に処分する経済的虐待20%▽暴言など心理的虐待が16%――の順だった。
虐待を受けたのは女性が圧倒的に多く81%を占めた。年齢別では、65~69歳7%▽70代40%▽80代41%▽90歳以上10%。虐待したのは息子が42%、娘17%、夫14%だった。高齢者と虐待者の2人だけで生活しているケースが48%あった。
市町村の対応は、高齢者と虐待者を引き離すケースと引き離さないケースが半々だった。引き離す場合は(1)医療機関への一時入院37%(2)介護保険サービスの利用23%(3)老人ホームなどへの入居19%――などの措置が取られた。緊急一時保護は2%あった。一方、引き離さないケースでは、家族などへの助言・指導が44%で最も多かった。
推進会議では、出席した介護施設関係者や認知症サポート医などから「虐待する側には、介護意欲はあるのにうまくできず、イライラして虐待する事案がしばしば見られる。虐待する側、される側の双方をケアする体制を早急に作るべきだ」といった意見が出た。
高齢者虐待防止法は、通報を受けた市町村は事実確認を行い、必要な場合は立ち入り調査して、保護などの措置を取るよう定めている。【笠井光俊】
毎日新聞

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