(78)最近の若い者も…頼れる

かつては私もよく「最近の若い者は」と言われたものである。でも今は、茶髪にピアスで道にしゃがみ込んでいる若者を見ると「最近の若い者は」と言いたい側になってしまった。


ところが考えてみると、介護の世界は、この若者たちが中心になっているのだ。私たちの時代には、介護の仕事をしたいなんて者はいなかったから、それだけで私は感心してしまう。しかも年配者がいない、若者だけの介護現場がじつにいい仕事をしているのだ。


NPO法人が運営する「宅老所いろ葉」は鹿児島市にある定員10人のデイサービスだ。介護保険外で泊まりのサービスもしている。代表の中迎(なかむかえ)聡子さんが4年前の28歳のときに始めた。今でもスタッフの中で彼女が最も年上だ。


利用者の要介護度の平均が「4・5」と聞くと、関係者はみんな驚く。要介護の状態区分には1から5まであって5が最も重度だ。平均4・5というのは入所施設ならまだしも、デイサービスでは聞いたことがない。つまり、最も重度な寝たきりや認知症の人を家族と共に地域で支えているのだ。


施設と病院から「認知症」というレッテルを張られていたSさんは、「いろ葉」に来た最初の4、5日は24時間叫びっぱなし。それが15日目、「苦しみのつぼの中からようやく出てきた」と言って、第二の人生を生き始めるのだ。


こんな感動的な話が書かれているのが『介護戦隊いろ葉レンジャー参上』(雲母書房)という本だ。こういう若者たちがいるなら年をとっても安心だ。「最近の若い者」を見直す一冊。(三好春樹=「生活とリハビリ研究所」代表)


読売新聞
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