藤沢の父傷害致死:娘に懲役5年 「暴行度を越す」-地裁判決
わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。
2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。
わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。
人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。
そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。
介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。
今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。
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同居して介護していた父を殴るなどして死なせたとして、傷害致死罪などに問われた藤沢市の会社員、瀧美枝子被告(48)に対し、横浜地裁は3日、懲役5年(求刑・懲役10年)を言い渡した。村上博信裁判長は「介護の負担は相当なものだったが、暴行は度を越している」と指摘した。
判決によると、瀧被告は、同居の父(当時92歳)や認知症の母を介護していたが、言うことを聞かないため7月19~24日ごろ、自宅の部屋で父を殴りビニールひもで縛るなどして肺動脈血栓塞栓症で死なせ、父の遺体を衣装ケースに隠した。【杉埜水脈】
毎日新聞