ストップ 高齢者の交通事故 免許返納で宿泊1割引 県警などがスクラム

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。


2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。


わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。


人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。


そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。


介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。


今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。


増加傾向にある高齢者の交通事故を減らそうと、県警などが新たな事故防止策に取り組んでいる。高齢運転者が運転免許証を自主返納すると、県内の宿泊施設の料金割引が受けられる制度が16日にスタート。歩行者、ドライバー、どちらの事故防止にもつながる有効策を模索している。


県警によると、高齢者が関係する事故は2007年で約3500件。1997年と比べ3割以上増えた。15日現在、交通事故で今年亡くなった80人(前年同期比10人減)のうち、高齢者は53人(同6人増)。そのうち、車やバイクの運転中に死亡した人は25人で、前年同期の11人から急増している。


県警は、高齢者の免許証返納を促そうと、県ホテル旅館生活衛生同業組合など3団体と覚書を交わし、宿泊施設の料金割り引きを始めた。16日以降に免許証を返納した高齢者は、運転経歴証明書などを提示すれば、県内約370のホテルや旅館を1割引きで利用できる。家族など同伴者も同様に1割引きになる。


自主返納制度が始まった98年以降、返納者は県内で年間400人前後。県警交通部の深田光一管理官は「買い物や通院などでどうしても運転しないといけない、不便な地域もある」と認めながらも「運転に不安があり、公共交通機関が使えるのであれば、思い切って返納を考えてもらいたい」と呼び掛けている。


歩行中の事故防止策も始まっている。県や県警でつくる県交通安全県民運動推進協議会は、夜光反射材の普及のため、県老人クラブ連合会の会員を「反射材! つけてますか?」推進員に委嘱。


反射材は、ドライバーから歩行者を見やすくする効果があるが、着用率の低さが課題。老人クラブの会員約200人が、それぞれの地域で反射材の広報活動を進める。


西日本新聞
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