能登半島地震で大きな被害が出た石川県輪島市で、在宅で介護を受けてきたお年寄りが避難所での生活は困難だとして、老人ホームなどに入所するケースが相次いでいる。
市内の老人福祉施設5か所のうち、2施設が定員を超え、3施設がほぼ埋まっている。一方、施設側には避難所から通う被災者の職員もおり、負担が重くのしかかっている。
被害が集中した同市門前町地区にある特別養護老人ホーム「あかかみ」では、地震直後から入所申し込みが殺到したため、長期入所者用の空きベッドをやりくりして20人を短期入所者として受け入れた。短期入所者は現在、定員20人を大幅に超える29人にのぼる。
施設側にも被災者がいる。同施設の職員約120人のうち、避難所から通ったりしているのは10人。避難所で夜も眠れず、壊れた自宅を片づけながら、お年寄りの世話に追われる職員もいるという。
同市気勝平町の介護老人保健施設「百寿苑」でも、「寝たきりの父を残したまま、仕事に行けない」などと入所の申し込みが相次いだ。施設側は70~90歳代の6人を新たに受け入れ、定員104人の枠がほぼいっぱいとなっている。しかも、被災した入所者の多くは退所のめどが立っていない。
こうした事態を受け、短期入所者を対象にしていなかったグループホームなども、急きょ、受け入れを始めた。石川県は周辺市町の社会福祉施設に、輪島市内の施設への職員派遣を要請し、31日から応援の介護職員が入ってきた。
「あかかみ」の森下進事務長(43)は、「避難所生活が長期化すると、介護が必要になるお年寄りがさらに出てくる可能性もある。職員もダウンしないか心配」と話している。
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