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母殺害の女に懲役13年 自己本位と水戸地裁

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。


2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。


わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。


人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。


そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。


介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。


今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。


介護疲れから実母を殺したとして殺人、死体損壊・遺棄罪などに問われた水戸市の無職半谷真江被告(63)に対し、水戸地裁は9日午後、懲役13年(求刑懲役16年)を言い渡した。


判決理由で林正彦裁判長は「介護疲れは差し迫った状況にあったとまでは言えず、自分が楽になりたいという自己本位な考えに基づいた犯行。複数の場所に遺体を投棄し、死者の尊厳を大きく冒とくした」と述べた。


判決によると、半谷被告は昨年8月6日「母親が死ねば世話をしなくてすみ、楽になる」と思い、水戸市内の自宅で寝ていた母親の佐久間ヤイさん=当時(84)=を絞殺。7日に遺体をのこぎりで切断し、水戸市内の河川敷と同県茨城町の草むらに捨てた。


弁護側は「引き取り手のない母親の世話をしても感謝されず、本人の体調も悪くなった」と寛大な刑を求めていた。


共同通信
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