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介護タクシー20日開業 香住、さくら搬送サービス

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。


2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。


わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。


人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。


そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。


介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。


今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。


兵庫県香美町香住区浦上の「さくら搬送サービス」(今西強代表)が20日から、美方郡に本社を置く事業者としては初めて、介護タクシーと民間救急事業を開始する。同町の西内正昭健康福祉部長は「高齢者や障害者の方が気軽に外出できるようになる」と期待を寄せている。


介護タクシー事業は、自力で公共交通機関等を利用できない人を対象にしたサービスで、民間救急事業は緊急性の少ない人の入退院や通院、転院、社会福祉施設への送迎などの移動手段を提供する。


美方広域消防本部は、風邪などの軽症患者による救急車の不適切利用が問題になっていることを挙げ、「民間の救急事業が浸透することで、救急車をタクシー代わりに使う人が減るのではないか」と指摘した。


今西代表は、自動車教習所の指導員として6年間勤務し、高齢者教習などを担当していたが、「交通の便が悪く、少子高齢化の進む美方郡で、高齢者や障害者の外出を手助けしたい」と転職を決意した。20日の開業に向け、車両や資機材の準備を整えている。


使用車両は、昇降機が付いたワンボックス型ミニバン車で、車いす2台までそのまま乗車できる。AEDや電子血圧計のほか、スロープも装備しており段差のある家でも楽に乗車ができる。点滴、酸素吸入にも対応。将来的には看護士資格を持つスタッフを確保する予定という。


今西さんは「通院はもちろんだが、観光や日帰り旅行、孫の結婚式など、今まであきらめかけていた外出にも使ってほしい」と利用を呼び掛けている。


利用には予約が必要。初乗り運賃640円。障害者手帳を提示すれば1割引きになる。問い合わせは、電話・FAX0796(36)1918。または090(1593)0119、さくら搬送サービスへ。


日本海新聞
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