県内56健保、赤字に 後期高齢者医療で拠出増
わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。
2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。
わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。
人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。
そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。
介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。
今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。
『
兵庫県内にある五十九の健康保険組合が二〇〇八年度に全体で百十七億円の赤字に転落する見通しとなったことが二十八日、健康保険組合連合会兵庫連合会(神戸市)のまとめで明らかになった。個別の組合でも、大半の五十六組合が赤字を見込む。景気の低迷に加え、七十五歳以上を対象にする後期高齢者医療制度への拠出金が増えたことが原因で、同制度は現役世代へのしわ寄せも大きいことが浮き彫りになった。
連合会によると、高齢者医療制度の改革に伴う前期高齢者と後期高齢者への支援金の負担増で、財政が悪化。〇八年度の保険料収入から医療費や国への拠出金を引いた全体の経常収支は、〇二年度以来の赤字転落を予想する。健保の貯金にあたる積立金も、約十二億円減の五百十三億円になる見通し。
〇七年度決算は、全体の経常収支が前年度比63%減の二十一億円と、五年ぶりの減収。個別組合も、単年度黒字は三十一組合と、前年度の四十一組合から大幅に減った。
全体の単年度収支は、ボーナスからも保険料徴収を始めた〇三年度に黒字転換。好調な企業業績を背景に新入社員が増えたことなどから〇六年度まで増収が続いていた。
財政悪化に伴い、解散を余儀なくされる健保組合も目立っている。〇七年度には、三木市の地場産業者らでつくる播州金物健保が解散。〇八年度は県内でまだ解散はないが、運輸業などを中心に厳しい状況が続く。
財政を立て直すには保険料率の引き上げなど打つ手が限られ、被保険者の負担増に直結する。県内では既に二十の健保が、中小企業従業員を対象にした政府管掌健康保険(現・協会けんぽ)の保険料率(報酬月額の8・2%)を超えており、引き上げ余地は少ない。(高見雄樹)
神戸新聞