五日に表面化した特定医療法人社団「順心会」の元理事長(60)による虚偽登記問題は、加古川市に本拠を置く県内最大規模の医療・福祉グループを大きく揺るがし、地域医療関係者や利用者らを驚かせた。「順心会」はこの日午前九時から、栗原英治・順心病院長ら現理事三人が緊急会見。栗原院長は、元理事長が虚偽の登記を行い、偽造した理事長印で裏書きした約束手形などを乱発して多額の債務保証が発生していることを認めた上で、「元理事長が退任して二年。こんなことは想像だにしなかった」と驚きと怒りをあらわにする一方、「病院運営は正常化に向かっており、経営に問題はない」と強調した。
順心会は、加古川市に二病院、加古川と高砂市に三カ所の介護老人保健施設などを運営。その一つ「順心病院」(加古川市平岡町一色)は、病床数百六十二、外来患者数は月平均約六千人で、東播地域の救急患者の二-三割が運び込まれる中核的な総合病院として知られる。
会見で栗原院長は、現在、裁判で係争中の手形や、公正証書の債務について「こちらの正しさが認められるだろう」との見通しを述べ、「経営に問題はなく、職員には事実関係を伝えているので動揺はない。今後は、患者や利用者に不安が広がらないよう説明をしていきたい」と話した。
そして、元理事長の虚偽登記を受け付けた法務局の対応には「電話や郵便の通知があれば対処できた」と批判した。
一方、神戸地方法務局加古川支局の法人登記の担当者は「役員が全員解任された場合などは該当法人に通知するが、それ以外は担当者の個別判断。医療法人の登記には会社法の適用がなく、見抜くのは法律的にも限界がある」と説明している。
この日朝、病院を見舞いで訪れた高砂市内の男性会社員(56)は「地域の病院でこんなことが起こっていたとは」と驚きを隠せない様子だった。
また、加古川市加古郡医師会の河合勝会長(62)は「元理事長は、順心会を地域の中核を担う存在に育て上げた功労者だっただけに残念。現体制の方には、揺るがずに頑張っていただきたい」と話していた。
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