中.地域包括支援センター
介護予防業務で多忙に
「この一年の忙しさのピークは八月でしたね。休日出勤や深夜残業が多くて…」。明石市が委託する同市医師会地域包括支援センターの主任ケアマネジャー赤松みどりさんは振り返る。
昨春の介護保険制度の改正に伴い、全国の市町村が設置した地域包括支援センター。「要支援1、2」と認定された人などに、介護予防支援計画(ケアプラン)作成などのケアマネジメントを行う。
ただふたを開けると、ほとんどの利用者が制度改正を知らなかった。「『要介護1』から『要支援2』になってなぜサービスが減るのか?」。赤松さんら職員は、ケアプランをつくる前、相次ぐ利用者の質問に答えるのに多くの時間を費やした。
さらに改正一年目の昨年度は、ケアプランづくりなど介護予防業務はすべて新規。特に当初の数カ月は、それぞれの職員の担当件数は右肩上がりで増えた。「あのころは一カ月で一人当たり十五件ずつ増えている感じだった」と赤松さんは苦笑する。
兵庫県内四十一市町に現在、サブセンター(二十八カ所)も合わせて百七十二カ所ある地域包括支援センター。多くは、高齢者の相談窓口として各地域に設けられた「在宅介護支援センター」がベースになっている。
地域包括支援センターは、専門性を高めるため、保健師、主任ケアマネジャー、社会福祉士の「専門三職種」を配置。また、制度改正が掲げる「地域ケアの充実」に向けた中核施設の位置付けのため、業務内容も介護予防の仕事に加えて、一般からの相談対応や、高齢者虐待の早期発見をはじめとする権利擁護などがあり幅広い。
とはいえ、「この一年間は、どの地域包括支援センターとも介護予防業務に振り回された」と県高齢社会課。多忙のため、地域ケアの充実に不可欠な、福祉関係者のネットワーク化などの業務はまだこれからで、同課は「二年目以降の課題」とする。
もっとも地域包括支援センターができた効果は既に表れ始めている。例えば高齢者虐待。「緊急対応が迫られる事案が起きた際、センターに専門職が集まっているのですぐに動けた」と明石市介護保険課は語る。
同市医師会地域包括支援センターの藤田和男事務長は「介護予防サービスの利用者は、今後も増え続けるだろう。利用の拡大に対応しながら、地域にどう根差していくかが今後の私たちの宿題」と力を込める。(溝田幸弘)
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