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高齢者虐待:昨年度442件、2年連続増

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。


2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。


わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。


人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。


そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。


介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。


今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。


08年度に道内の高齢者が家族や介護職員から虐待された件数は442件で、前年度比99件(28・9%)増えたことが9日分かった。道議会に道が報告した。統計を開始以来2年連続で増加となった。


調査は高齢者虐待防止法(06年施行)に基づき実施。調査結果によると、家庭内虐待は439件で全体の99%を占めた。虐待を受けていたのは78・5%が女性。加害者は息子40・8%、配偶者27・4%、娘15・4%などで、前年度との比較では息子と配偶者が増加し、娘が減少した。


一方、介護施設内での虐待は3件で前年と同数だったが、虐待を受けたのは8人で5人増えた。


道高齢者保健福祉課は件数増加について「法の制定や報道を受けて、虐待に対する道民の意識が向上して通報、早期発見が増えた」と分析している。【鈴木勝一】


毎日新聞
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