要介護 過去最多6366人 08年度/帯広市
わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。
2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。
わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。
人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。
そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。
介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。
今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。
『
特養待機は800人超
帯広市の2008年度の要介護認定者数は過去最多の6366人(前年度比292人増)に上った。特別養護老人ホーム(特養)の待機者数(昨年1−12月末)も2年連続で800人を超えている。高齢化が進む中で、いずれも年々増加傾向にある。市は11年度までに新たな小規模特養(29床以下)を4カ所整備して待機者解消を図る計画。ただ、高齢化の進展は今後も続くと予想され、将来的には介護保険料の見直しも避けられない情勢になっている。
新たに4施設整備計画も
要介護認定者数は、04年度5168人、05年度5541人、06年度5893人と毎年増加を続け、07年度には初めて6000人を超えた。昨年度は過去最多で、75歳以上で認定を受けている人は、約3人に1人の割合。
入所申請者は、施設名簿上の人数で年度末に集計し、申請者の中から死亡、転居、重複分を除いている。04年度は684人、05年度は763人と年々増加し、07年度には初めて800人台に突入した。昨年度は集計方法を切り替え、既に特養に入所しながら転居希望を出した人を省いたため減少したが、それでも800人台となっている。
待機期間は、1年以内が278人、2年以内が161人、5年以上は152人に上った。待機者は、介護度や生活状況に応じて緊急度の高い人が優先的に入所できる。待機期間が長いため、将来の入所に備えて早めに申請しておく人も多い。
現在帯広市内には、特別養護老人ホームが5カ所あり、合計429人を収容している。介護認定者数増加により、今後も特養需要が増えることが予想され、ベッド供給が追いつかない状況が浮き彫りになった。
特養の整備をめぐっては、今年度施行された「第4期帯広市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」(09−23年度)で対策を講じ、10年に鉄南圏域と東圏域で、11年に広陽若葉圏域と西帯広開西圏域で「地域密着型介護老人福祉施設(小規模特別養護老人ホーム)」を建設、116床(各29床)を新築する予定。また、家族の負担を軽減し在宅介護活動を促進しようと、10年に鉄南圏域と東圏域で、11年に南圏域と大正川西圏域で「小規模多機能型居宅介護」の整備を完成させる計画だ。
介護保険料については、サービスを充実すれば国や市、本人の負担額の値上げも避けられなくなり、サービスも受けられない人が出てくる可能性も否定できず、介護保険課の鈴木昭文課長は「負担を増やさない方向でバランスを考えながら運営したい」と話している。(小寺泰介)
十勝毎日新聞