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高齢者虐待:07年度は343件、前年度比43件増に 女性被害が8割

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。


2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。


わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。


人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。


そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。


介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。


今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。


道内で07年度に確認された高齢者虐待の件数は343件で、前年度より43件(14・3%)増加したことが、厚生労働省の調査で分かった。


従来は家庭内に隠れていた事例が表面化するようになった面もあり、道保健福祉部は「道内すべての市町村に対応窓口を設置し、住民に周知するなどの取り組みの結果」と分析。依然、氷山の一角との見方もあり、道は関係機関や住民との連携を強化する方針。


調査結果によると、虐待の内訳は家庭内が340件(前年度299件)、有料老人ホームなどの施設内が3件(同1件)。相談・通報件数も647件(同522件)に増えた。


家庭内虐待の被害者は女性が80・6%で、年齢は70代が42%、80代が36・8%を占めた。加害者は息子37・1%、配偶者25・6%、娘18・8%の順で、前回と傾向に変わりはなかった。


虐待の種類は、暴力を振るうなどの身体的虐待41・8%▽言葉の暴力など心理的虐待26・2%▽生活費を与えないなどの経済的虐待16・9%▽介護放棄14・9%▽性的虐待0・4%だった。


調査は高齢者虐待防止法に基づき06年度から全国の市町村が実施し、厚生労働省がまとめた。そのうち道内分の結果を5日の道議会少子・高齢社会対策特別委員会に道が報告した。【鈴木勝一】


毎日新聞
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