介護保険法の改正により10月1日から、居住費と食費の全額が利用者の自己負担となる施設給付の見直しが始まる。負担の高額なお年寄りで、従来より2万5000―3万円の増加となる見込み。介護報酬がなくなる分、施設側にとっても負担が強いられる。両者ともに痛みを伴う見直しとなる。
見直しの対象は、特別養護老人ホームや老人保健施設、介護療養型医療施設で、室蘭市内では8施設が該当する。利用者の年金収入により負担額は異なるが、低所得者に対しては軽減措置が取られる。国の試算によると「要介護5」の場合、支払い額がもっとも高い第4段階(年金収入が266万円超)で、2・5万―3万円の増とみている。
市内各施設とも、利用者や家族に対して、制度の見直しを周知させる活動に取り組んできた。祝津町の特別養護老人ホーム「エンルムハイツ」では、8月下旬に家族会を開催したり、文書を家族に送付するなどしてきた。負担は、支払いの多い利用者で2万5000―3万円の増加とみている。家族らの反応について「値上げに歓迎する人はいない。説明で理解をいただいた」(同施設)と話す。
同施設の食費収入は、利用者負担と介護報酬を合わせて、1日2120円だった。見直しにより、国が表した基準額とほぼ等しい、1380円を食費として設定。利用者は50人。1カ月(30日)で約110万円の減収となる。「減収を防ぐためと言って、食事の質を下げることはできない」。同施設を運営する、社会福祉法人室蘭福祉事業協会内の経営改善をはじめ、材料の見直しなど自助努力に踏み切っている。
介護療養型医療施設を備える室蘭太平洋病院(白鳥台)の三嶋修事務長も「3万円ほどの増加」と推測する。入院の面会に訪れた家族に個別で対応したり、文書で通知するなどPRしてきた。「負担増は厳しいが、他に移るところもない。国で決めたことで仕方ない」が家族の反応という。
エンルムハイツと同様、食費は1日1380円に設定。100人が入院し、月の収入減は200万円に上る。10月1日に、総合リハビリテーション施設として申請する予定。「医療と介護の報酬単価が上がり、ある程度の収入につながる」と不足分をカバーする。毎月の運営会議で対策を練ったり、経費削減など内部改善に取り組んでいる。「国の方針に従わざるを得ない。生き残りを懸けて」と話す。
老人保健施設「憩」も、年間にして1000万円以上の収入減を見込んでいる。青木常雄事務長は「より質の良いサービスを提供する施設へ移動するという高齢者の動きが出てくるだろう。収入が減る中でも、食事サービスなど満足のいくものを提供しなければいけない」と課題を示した。
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