札幌・NPOと登別市社協が温泉入浴介護サービス

2004年 07月 01日 (木) | Category : 北海道の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

特定非営利活動法人「北海道総合支援センター」(札幌、五十嵐教行理事長)は、登別市社会福祉協議会(鈴木実会長)、旅行代理店などとタイアップして、温泉入浴介護サービス事業を展開する。既に入浴を介護する「スパヘルパー(温泉ヘルパー)」のモデル研修も行われており、観光と福祉を結びつけた新しいサービスとして全国に発信していきたい考え。準備を進めており、8月をメドに事業展開したい考え。


有数の温泉地である国際観光都市・登別が、障害のあるなしにかかわらず、すべての人々に快適で安心して利用できる観光地となるように―と平成13年12月に、市、社協、登別温泉旅館組合との共催で「心のバリアフリー研修会」を開催。その際、特定非営利活動法人「北海道総合福祉研究センター」(札幌)の協力を受け、旅館、ホテルの経営者、人事担当者、従業員らが3回シリーズで、ノーマライゼーション、障害者との交流、体験などで理解を深めた。


その後、研修会のスタッフ、社協、社会福祉の専門家、旅行代理店スタッフなど関係者によって「温泉地を利用した新しい福祉サービスの創造」について調査、研究を進めてきた。


具体的な事業を展開するため今年1月には「北海道総合支援センター」を設立。温泉利用者の入浴支援をするスタッフの養成を開始。登別市社協では、モデル研修として6月7日から7月3日まで6回の予定で、講義と実技を実施し、5人が研修を積んでいる。


同事業は「障害があっても家族みんなで温泉旅行がしたい」「家族に面倒をかけないで温泉に入りたい」など、素朴な願いにこたえ、家族の負担を軽減し、安心して温泉を満喫してもらうのが狙いで、社協などでは「ほどこしの福祉から脱却し、だれもが質の高いサービスを利用できる第一歩にしたい」としている。


商品開発など具体的プランを練り、8月にも事業着手したい考えで、新たな事業展開として注目を浴びそうだ。


室蘭民報
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