白老:寿幸園は公設民営に 19年度に委託、開園

2004年 06月 11日 (金) | Category : 北海道の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

民営化と老朽化による早期の建て替えが懸案となっていた特別養護老人ホーム・寿幸園について白老町は10日、公設民営の方針を決め、白老町職員労働組合(安達義孝委員長)に説明した。


説明によると、建物は公設で建設。平成18年度中に労働組合と現職員の身分移管の協議を終え、19年度に民間に委託した上で開園を目指すという。さらに開園後の経営状態を見て、将来的には民間移譲を視野に入れている。


建物は町総合保健福祉センター前に建設し、約2800平方メートル。建設費は約8億6000万円を想定しており、国、道費補助を除いた町の負担は6億7000万円程度になる。


安達委員長は労使交渉のスタンスを問題視。「労使合意の基本線が守れていない。もっと早く大筋の説明を受け、運営手法にも協議の余地があった。議会対応などを見て、組合の対応も協議していく」と話している。


寿幸園は定員50人で昭和46年に開設。50年以降は赤字経営が続き、平成15年度決算では約3300万円が一般会計から繰り出され、人件費による経営圧迫のほか、近年は施設の老朽化と狭あいも懸案となっていた。


平成9年には、民間の行政改革委員会が「社会福祉法人等による民間委託方式を研究すべき」と答申した。12年には、町長の諮問機関で福祉関係者や学識経験者でつくる特別養護老人ホーム管理運営検討懇話会が「早期の施設改善」「人件費などによる赤字解消のための民営化」と提言している。


さらに町議会民生常任委員会でも「民営化をやむなく選択した場合も公設民営を基本とし、最低限の町の意見や考えが生きるような民営化を」とまとめた経緯がある。


町では民営化の方針を打ち出し、職員労働組合との協議を進めながら民営化の手法や委託先を検討してきたが、これまで明確な方針を打ち出していなかった。飴谷長蔵町長は3月定例会で、6月にも方針を示す意向を示していた。


今回、町は運営経費の効率化と早期建設をポイントに約6億7000万円の建設費を抱える公設民営の方針を打ち出したが、財政難の中で民間移譲の選択肢もあっただけに、6月議会の議論は公設の意義や「財政改革プログラム」との整合性が焦点になりそう。さらに医療・福祉施設に関しては、町立病院の民営化も課題になっており、今後の議論が注目される。


室蘭民報
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