室蘭「みたらの杜」に特養老人ホーム建設へ

2004年 05月 21日 (金) | Category : 北海道の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

室蘭市絵鞆町で介護福祉事業の「みたらの杜総合在宅センター」を開設している社会福祉法人幸清会(大久保和幸理事長、本部虻田町)は、同敷地内に新たに定員140人と市内最大規模となる特別養護老人ホームを建設する。全館個室化など近代的な造りと運営の特養ホームとする。着工は8月上旬、来年11月完成の予定だ。室蘭市内の特養ホームは3カ所目。


市の調べによると、3月末現在の介護保険認定者で、特養施設の入所を希望している待機者は約150人いる。こうした背景を受け、「市内で特養が不足している中、利用者の要望に応えたい」(大久保理事長)と建設を決めた。敷地面積は約1万2331平方メートル。建物は鉄筋コンクリート地下1階、地上3階建て(一部4階)、延べ9177平方メートル。特養とショートステイの事業を展開する。特養の定員は、124人。ショートステイ16人。


全館個室(18平方メートル)で愛用品の持ち込みも可能。入居者10人を1ユニットとし、固定した職員で対応した”一家族”の雰囲気で生活する。レクリエーションの場となる多目的スペース、大型、特殊浴槽を含め18の浴室を設け、「ゆったり入浴」の方針。


屋上ガーデニングや菜園、パークゴルフ場、売店、喫茶などを設けて「施設内が一つの”マチ”」をイメージした。また、空調管理を施した本格的美術館(約300平方メートル)を設けて「地域との交流の場としたい」(大久保理事長)考えだ。


総工費は約21億6000万円。職員数は120人の予定。


大久保理事長は「特養ホームらしくない設備が特徴で、入りたくなるような施設にしたい。また、雇用効果による地域貢献も果たしていきたい」と話している。


同会は昭和48年、虻田町に養護老人ホーム・幸生園を開設し、胆振管内で民間初の老人ホーム経営を始めた。その後、大滝村や豊浦町などで施設運営している。


室蘭では今年4月、みたらの杜総合在宅センターを開設し、デイサービスとヘルパーステーション事業などを先行スタートしていた。


室蘭民報
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