WACまごころサービス室蘭発足10年

2003年 12月 03日 (水) | Category : 北海道の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

長寿社会文化協会室蘭支部(通称・WAC室蘭、荒川隆志支部長)が手掛けているヘルパー派遣事業「WACまごころサービス室蘭」が今年で発足10年を迎える。相互援助のボランティア精神で、地域の在宅福祉を支えてきた。「まごころの輪」を広げてきたこの10年の歩みを振り返りながらメンバーは「今後もより充実したサービスを提供していきたい」と思いを新たにしている。


WACは高齢者の自立と連帯を目指す全国組織のボランティア団体。室蘭支部は道内3番目の支部として、平成3年に発足した。5年からは一般市民を対象に、室蘭で初めてのホームヘルパー養成講座を開講。行政に先駆けた独自の取り組みが話題を呼んだ。今年までに16回の講座を開催。2級361人、3級279人が資格を取得した。


「まごころサービス」は、その修了者の資格を生かそう―と同年12月に設立。炊事、洗濯などの家事援助や病院への付き添いなどの在宅福祉サービスを提供してきた。当初は利用者数も10人程度と少なかったが、口コミで評判を呼び、11年度には延べ937人が利用するほどになった。


同12年に介護保険制度が施行されると、NPO法人格を取得し、「わっく室蘭」として介護保険事業にも参入。保険適用外利用者にはこれまで通り、まごころサービスで対応し、2本立てでヘルパー派遣事業を行ってきた。


現在91人がヘルパーとして登録。依頼の内容や日時に応じ、スタッフがそれぞれ派遣先を調整している。今後は利用増に対処し、これまでの登録ヘルパーに加え、1日4―8時間連続勤務する臨時職員を配置する計画。昨年から空席だったケアマネジャーも新たに採用し、体制の充実を図っている。


12日には10周年記念祝賀会を予定、ヘルパーや利用者たちで10年の節目を祝う。伊藤光男事務局長は「何より、ヘルパーたちのまごころ精神が根底にあったからこそ」と10年間を振り返る。また、急速に進む高齢化時代を見据え、「ゆくゆくはグループホームを建設し、独り暮らしの高齢者も安心して暮らせる社会に」と新たな目標に向けて張り切る。


室蘭民報
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