女性2人が音楽療法ユニット結成、室蘭などで活動

2003年 09月 21日 (日) | Category : 北海道の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

室蘭、登別市内でピアノや合唱団などの指導に携わっている四方明子さん(43)=登別市新生町=と森本真貴子さん(41)=室蘭市高砂町=が、音楽療法ユニット「カノン」を結成、両市の老人福祉施設でボランティア活動を続けている。2人は「音楽療法活動を広く普及させていきたい」と意気込んでいる。


20年来の付き合いがある四方さんと森本さん。「多くの人に音楽の素晴らしさを伝え、音楽が持つ力を伝えたい」と、今年4月にユニットを結成した。


音楽療法の学会や研究会に籍を置き、音楽療法士の養成講座にも積極的に参加。資格取得を目指している。「カノン」には、さまざまな表現や能力が重ねられ、やがて1つの輪になって広がっていけば―という思いが込められている。


現在は室蘭、登別両市のデイサービスセンター、通所リハビリ施設、ケアハウスの計3カ所をボランティアで回る。歌の指導をはじめ、手話やボール運動を歌と組み合わせたものなど、訪問先によってメニューを変えながら音楽の楽しさを伝えている。


四方さんは「歌うことは体のいろいろな筋肉を使う。健康維持や介護予防にも最適」、点字と手話の通訳ができる森本さんも「目の不自由な人には点字の歌詞カードや、耳の不自由な人も太鼓や風船で振動を体で感じてもらえるようになれば」と、メリットや目標を語る。


2人の悩みは、日本では音楽療法が欧米に比べ浸透していないこと。「音楽療法を治療の1種と思っている人は多い。治療ではなく介護予防や健康増進のために取り入れる活動。1度試してもらいたいですね」と、今後の普及を願いながら、活動に汗を流している。


室蘭民報
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