室蘭市予算案、高齢者の意欲サポート 「いきいきサロン」「食の自立支援」

2003年 02月 12日 (水) | Category : 北海道の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

室蘭市は平成15年度予算案に、高齢者福祉関連新規事業として「いきいきサロン」と「食の自立支援」を盛り込んだ。いずれも介護予防や閉じこもり防止などを目的にしており、高齢者の自立実現へ向けた期待も高まる。


70歳以上を対象にした「いきいきサロン」には45万8000円を計上した。月に一度町会館に集まってもらい、ゲームや健康体操と血圧測定など健康チェックを行う。看護婦と福祉委員がサポートし、日の出地区で試験的に実施する考え。


公衆浴場を利用して2週間に1回、同様のことを行っている「いきいきデイ銭湯」(18カ所)の空白地帯を埋めるための試行。公衆浴場のない御前水地区などへの展開が課題となっていた。


会場として町会館を利用し、入浴の代わりに昼食会を行う。時間は2時間程度の予定。材料費として500円程度の利用者負担を見込んでいる。福祉総務課では「感触がよければエリアを増やしていきたい」と話している。


一方の「食の自立支援」は、高齢者の独自支援として室蘭市が原則65歳以上を対象に展開している配食サービスの可否を、定期的に再評価するもの。243万円を充てる。「食事を作ることもリハビリにつながる」との視点からだ。


市は平成3年から昼食(400円)を、12年からは介護保険のスタートに合わせて夕食(500円)の宅配を開始。市が委託した在宅介護支援センター(5カ所)がサービスの可否決定を行い、一度決定を受けると、本人の申請以外で見直すことはなかった。


しかし、国が事業補助の要件として「3カ月から6カ月に1度の再評価」を指導してきたこともあり、市では年3回程度の再評価を実施する方針とした。市は「自立へは意欲の喚起も大切」としている。


室蘭民報
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