福祉バス運行から1カ月、新規開拓へPR策

2002年 11月 19日 (火) | Category : 北海道の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

利用対象者を60歳以上の高齢者から全町民に拡大した白老町の町内循環福祉バス・元気号の運行から1カ月が経過した。全体の利用者は5300人と前年同月比の横バイだが、有料利用者層が予想の3分の1程度と伸び悩んでいる。町のPR強化と利便性向上策が早急な課題になってきた。


これまで利用対象者を60歳以上の高齢者にして無料で運行してきたバスは、10月1日から対象を全町民に拡大して有料化。1回乗車は100円で、71歳以上の高齢者、幼児、障害者などは無料、小中学生は半額。路線は萩野小前や美園団地、緑丘団地にも延び、6路線から10路線に増加した。バス停も従来の69カ所から8カ所増えている。


10月の実績をみると、利用者は5300人で、前年同月比の240人減とほぼ横バイ。内訳は無料利用が4103人、有料利用が1210人。従来の利用層がそのまま乗車していると分析され、有料層の「新規」は少ないという見方が強い。小中学生の利用は29人にとどまった。1カ月の有料収入も約39万円が見込まれていたが、11万9600円と伸びなかった。


町健康福祉課では「まだ1カ月の数字で、今後の数字を見なければ何とも言えない」としているが「まだ全町民利用にバス運行が浸透していないのでは」とPRの必要性を課題に挙げている。さらに「時間帯や路線など、現状の路線形態でもっと乗ってもらえる方策を検討したい」と、今後の利用実績を踏まえながら改善策に取り組む方針だ。


室蘭民報
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